『ラストマンー全盲の捜査官ー』最終回「わたしの家族」が放送されました。
刺されて、心停止となった泉の容態は?
皆実と心太朗がたどり着いた41年前の真実とは?
「わたしの家族」の本当の意味とは?
『ラストマンー全盲の捜査官ー』最終回をネタバレありでどうぞ!
『ラストマンー全盲の捜査官ー』最終回あらすじ
刺された泉は?
刺されて心停止の状態で搬送された護道泉(永瀬廉)は、皆実広見(福山雅治)と吾妻ゆうき(今田美桜)の応急処置のおかげで、一命は取り留めたものの意識が戻るまでは予断を許さない状況だった。
元・捜査一課の山藤憲治(金田明夫)は犯行後に飛び降りて死亡しており、被疑者死亡ということで速やかに処理を終え、所轄に一任し、本庁の捜査一課は今後一切、捜査に参加しないこととなった。
捜査一課の意地
だが、佐久良円花(吉田羊)率いる佐久良班は捜査をやめようとはしない。
泉が持っていた防犯カメラ映像を確認し、池上隼人(渡辺哲)の殺害現場付近で山藤と他2名の男が池上と会っていたのが分かった。
山藤といたのは南雲会傘下の構成員だった。と佐久良班は報告した。
防犯カメラの映像を確認するために、相当無茶をしたようだった。
「黒幕は弓塚です。全員分かってることですよね?」と佐久良は言い、「仲間とられて黙ってんですか?係長だって本当は…」と馬目(松尾諭)が言いかけるが、今藤係長(今井朋彦)も思いは同じだ。
係長は暴対が別件で南雲会にガサ入れを検討しているから、上手く相乗りすれば弓塚と南雲会の関係を調べられるかもしれないと、内々に暴対に話を通しておくと言った。
佐久良班以外の捜査一課も協力を申し出、捜査一課一丸となり、事件を追う。
鎌田と皆実の母の関係
吾妻からは皆実の母・勢津子(相武紗季)と護道心太朗(大泉洋)の父・鎌田國士(津田健次郎)が一緒に働いていた時の同僚・小林久恵を見つけたと報告が入る。
皆実は吾妻に捜査はここまででいいから、泉に付き添うように言うが、吾妻は捜査を続けることを希望した。
そんな吾妻に皆実の父・皆実誠(要潤)と鎌田の戸籍謄本を手に入れるようにお願いした。
心太朗は1人で山藤の遺体に「必ずホシを挙げる。」と誓っていた。
皆実と心太朗は、小林久恵(銀粉蝶)に会いに、小林が入居する老人ホームを訪ねた。
小林の話では、勢津子と鎌田は付き合っていたという。
20歳のころから付き合い始め、2人でお店を開く約束をして、お金を貯めるために2人も仕事を頑張っていた。
だが、勢津子が客である誠に見初められたのだ。
小林は誠のことを豪快な人で、毎晩のように立派な人たちを接待していたと話した。
皆実はなぜ母が鎌田と付き合っていたのに、父と結婚したのかと聞くが、お世話になってきた女将さんに「絶対に結婚しなさい。」と言われて断れなかったと小林は言った。
勢津子は鎌田と一緒になることを諦めたわけではなく、駆け落ちまでしようとしたが、鎌田が「他に好きな人ができた。せっちゃんとは一緒になれない。」と言い、一緒に行くことを拒んだ。
自分より誠と一緒になった方が勢津子が幸せになれると思っての鎌田の嘘だった。
老人ホームを出た皆実は「鎌田は母を愛していた。刺し殺すわけはないんです。」と言うが、心太朗は「色恋沙汰の怨恨殺人かもしれない。」と反論し「お父様を信じることにしたはずです。」と皆実に諭される。
清二と対峙
泉が意識を取り戻したと連絡が入り、皆実と心太朗は会いに行く。
病院のベッドの上で、泉は皆実と吾妻にお礼を言った。
病院にいた護道家の人々に皆実と心太朗は、泉を刺した山藤は41年前の事件のことを聞きに行った直後に殺された池上の殺人にも関わっていることを話す。
池上は明らかに口封じで殺された。
では、口封じを命じたのは、汐里(森口瑤子)の父の弓塚敏也(石橋蓮)だと考えている。
だが弓塚は強大な権力を持っていて、確実な証拠を掴むのは難しい状況。
皆実は41年前の事件で当時理事官として捜査の指揮を執り、弓塚とも懇意にしている護道清二(寺尾聰)が事件の真相を知っていながら、もみ消したのではないかと清二本人に言い、護道京吾(上川隆也)に勝手な憶測はやめるよう咎められる。
それでも皆実は「清二さん、何かご存じであればお話ししていただけませんか?」と清二に聞いた。
清二の答えは「今、お話しできることはありません。」だった。
香り
皆実と心太朗は勢津子と鎌田が働いていた店に来て、当時の顧客台帳を見せてもらっていた。
確かに誠は毎晩のように来ていた。
そして、誠と弓塚と同席した中に清二の名前があった。
皆実は部屋の香りが気になり、聞くと初代の女将が気に入って京都から取り寄せているお香だと教えてもらう。
清二の決断
弓塚の事務所には特捜が強制捜査に入ったことが、ニュースとなっていた。
「特捜が入ったということは、確実な証拠を握っているということだ。」と係長は言う。
護道家では清二が「弓塚先生の不正に関する資料だ。」と皆実や心太朗、京吾や汐里を前に見せた。
同じものを特捜部の友人にも渡っているとし、「私も弓塚先生に頼まれて、多くの罪をもみ消してきた。自分の罪を認めて償うつもりだ。」と清二は言った。
皆実誠は当時、投資に失敗して多額の借金を抱え込んだ。
そして、自分の持っている資料を公開すると弓塚を脅して、金を要求した。
弓塚はその資料を盗み出すように依頼したのが、池上だった。
その依頼を孫請けしたのが鎌田國士だった。
鎌田は自分の借金をチャラにする代わりに、皆見家へ資料を盗みに入るはずだった。
そう話した清二に「結局、私の両親を殺害したのは鎌田國士だったということですね?」と皆実が問うと、そうだと清二は答えた。
なぜ打ち明ける気になったのかと心太朗が聞くと、常々、「正しい道を歩くように。」と言い続けてきた泉が病室で寝ているのを見て、申し訳なくなったからだと清二は言った。
泉の予感
佐久良班と吾妻は病室で泉に現状を報告していた。
弓塚は諦めて汚職疑惑については供述をし始めているらしいが、池上を口封じしたことは否認をしているらしい。
清二も在宅で取り調べに協力しているが、提出された資料はどれも古く、罪は時効を迎えているものばかりだった。
「41年目前の事件もこれで全て解決ということですかね?」という長谷川(奥智哉)の言葉に「何か…まだ終わってないような気がします。」と泉は言った。
皆実と心太朗の推理
皆実と心太朗は京吾を皆実のホテルの部屋に招いた。
警察は清二のことを公にするつもりはないようで、京吾は警察庁長官になることが決まった。
皆実の帰国ももうすぐで、全て終わったことからお別れの会を開かせてほしいと京吾は言うが、「まだ事件は終わってませんよね?」と皆実は返した。
「弓塚先生が黒幕だった。それが全てでしょう。」と京吾は言うが「我々もそう思っていました。」と皆実は言い「今はこう思っています。池上の口を封じたのは…護道清二であると。」と心太朗は京吾に言った。
清二は弓塚をスケープゴートにした。
「弓塚が口止め料を払う。」とでも言って池上を呼び出した。
だから、池上は弓塚の事務所に電話していた。
これで、一気に弓塚へ捜査の目が向いた。
そこで、清二が弓塚の資料を提出し、弓塚を追い詰め、全てを終わらせた。
「なぜ、父がそんなことを?」と聞く京吾に「41年前の事件に深く関わっているからでしょうね。」と答える皆実に「とうに時効を迎えた事件。新たに罪を重ねる必要はありませんよね。」と京吾は言う。
「そこまでしても守りたい秘密があるということです。」と言う皆実に「証拠は?」と京吾は聞いた。
賢く用心深い清二だから、証拠はないと皆実は答えるが「鎌田が証言してくれるかもしれない。」と心太朗が言う。
「話にならない。」と言う京吾に「だからこそ、あなたに協力していただきたいのです。京吾さん、お願いします。」と頼む皆実は「護道家は正義の家…ですよね?」と京吾に言った。
「でっちあげに付き合うつもりはありません。」と京吾は答えた。
京吾と清二
京吾は清二の元に行き、明日、皆実と心太朗が鎌田國士に面会することを伝えた。
そして、2人が清二が41年前の事件や池上殺害への関与を疑っていることを話した。
鎌田から何らかの証言を得るかもしれないと伝えると「どうしてそんなことを伝える?」と清二に言われる。
京吾は皆実を交換研修で受け入れてしまえば、41年前の事件が冤罪だと分かり、護道家の名に傷がついてしまうのではないかと不安だった一方で真実を知りたいという思いも消すことができずにいた。
「なぜ心太朗を護道家に養子として受け入れたのか?あなたは誰よりも心太朗のことを大事に育ててきた。その理由はなんだったのか?」
それを知りたくて、皆実と心太朗がバディを組むことを許可した…だが、それは間違いだったようだ。
「真相はもっと深く、暗いものだったんですね。」と京吾は言い、鎌田がすでに病院に移送され、いつ亡くなってもおかしくない状況だと清二に伝え「もう、全て終わりにしてください。」と清二に頼んだ。
罠
その日の夕方、清二は鎌田の病院に行った。
鎌田に「約束は守りましたよ。」と言った清二は点滴に薬剤を注入しようとする。
その時、「動かないで!」と皆実の声がした。
「その薬剤を置いて。」と言う心太朗の声に清二は薬剤を置いた。
「京吾か?」と聞いた清二に「私の兄は本物の正義の人でした。」と心太朗は答えた。
そこに京吾が現れた。
京吾を説得するのに、皆実たちは証拠を見せていた。
それは心太朗が誕生日にプレゼントしたスマートウォッチに内蔵されていたGPSの位置情報だった。
池上が殺された時、清二が現場であるさかみ橋の近くにいたことが分かっていた。
「池上殺害を山藤に命じたのはあなたですね?」と皆実は聞いた。
「私が池上殺害を命じました。」と清二は答えた。
衝撃の事実
「41年前の事件の真相を隠すためですよね?清二さん、あなたは何を隠していたんですか?」そう聞いた皆実は「あなたが守り続けてきた秘密とは…私が心太朗さんが兄弟だということですよね?」と言った。
「何を言っているんですか?」と驚く心太朗に皆実は戸籍謄本を見せた。
皆実誠の子は広見で母は勢津子。
鎌田國士の家族は息子の心太朗のみ…母親は勢津子とあった。
それを見た京吾も「心太朗と皆実さんの母親は同じだということですか?」と聞く。
大物政治家や土地取引、暴力団と大きな話題に目がいっていたが、パンドラの箱に入っていたのは、もっと小さな秘密だったのではないかと思った皆実は自分の両親と鎌田のことを徹底的に調べていた。
その調査には佐久良班をはじめとした、帳場に出ていない捜査一課の全員が力を貸してくれていたおかげで、鎌田や両親の過去まで全てが明らかになった。
皆実の両親と鎌田
勢津子がまことに嫁いで1年後、鎌田は小さな食堂を開いた。
そこに勢津子が広見を連れて、やってきた。
実は、誠には本妻がおり、そんなことも知らずに勢津子は広見を産み育てていたが、本妻に押しかけられて広見を連れて逃げてきた。
それから鎌田と勢津子は2人で食堂を切り盛りしていた。
1年後に心太朗が誕生する。
だが、勢津子に心臓の病気が発覚。
治療は困難で高額な手術費が必要で鎌田は金策に走るが、到底足りない。
そこに本妻と離婚が成立した誠が、勢津子と広見を連れ戻すためにやってきた。
鎌田が譲るわけもなく、誠は鎌田が借りていた食堂の土地と建物を買い取り、池上を使っていやがらせを始めた。
勢津子はこれ以上鎌田に迷惑をかけられないと思い、鎌田は勢津子の病気のことを心配した。
鎌田は勢津子が子供を連れて、戻ることを選択するが、誠には鎌田の子である心太朗の引き取りは拒否された。
鎌田は心太朗は自分が立派に育てると言い、勢津子の体のことを1番に考え、送り出した。
それから鎌田は心太朗をに愛情を注ぎ続けた。
事件の動機
皆実は自分が導き出した結論が、心太朗にとって、あまりにもむごいものだったため、心太朗には黙っていた。
「あなたがその真相を聞いた時、きっと強く後悔するはずです。それでも聞きますか?」と皆実は心太朗に聞くと「あなたも後悔したんですか?」と皆実に聞き返す。
「ええ。」と答える皆実に「それなら、私にも教えてください。あなたと共有します。」と心太朗は言った。
分かりました。と答えた皆実は「まず…護道さんと私は父親も同じ正真正銘の兄弟です。」と心太朗に言う。
京吾が「しかし、戸籍謄本では父親が違います。」と言うと「それが問題なのです。それこそが41年前の事件の動機だったのでは?そう私は考えています。」と皆実は答える。
勢津子は鎌田に危害が及ばぬよう、広見を鎌田の子だということを隠し続けた。
放蕩三昧の誠に夫婦仲も冷え切っていた。
だが、誠は広見が成長するにつれ、自分の子ではないのではないかと疑念を抱くようになり、池上を使い勢津子の過去を調べた。
そこで、自分が愛人として引き取る前に勢津子が鎌田と交際していたことを知った。
誠は勢津子が自分のところに来る前にすでに鎌田の子を身ごもっていたのだと確信した。
誠は勢津子と広見を殺し、全ての罪を鎌田に背負わせてやろうと考えた。
事件の真実
事件の夜、奇麗好きな勢津子が、なぜナイフを出したまま寝たのか?鎌田と誠が階段でもみ合っていたのか?広見が玄関で倒れていたのか?
その疑問も誠が犯人だとすれば、全て解消される。
誠は鎌田を自宅に呼びつけ、いきなり鎌田を鈍器で殴りつけた。
鎌田にナイフを突きつけた誠は「広見の本当の父親はこいつなんだよな?」と勢津子に聞いた。
「そうです。広見はこの人の子です。私はずっとこの人のことを愛している。この人の息子の広見がいたから、これまで生きてこれた!」と言う勢津子を誠は刺した。
倒れた勢津子は心太朗を心配し、元気だよ。と答える鎌田に「心太朗と広見を…」と言い、勢津子は息を引き取った。
その時、広見が自分の部屋から出てきた。
誠が広見を殺そうと2階に向かったので、それを止めようとした鎌田と階段でもみ合った。
倒れれてる母を見た広見が階段を駆け下りる時に、もみ合う2人ぶつかり転落し、鎌田と誠も階段を転げ落ちた。
鎌田と広見は意識を失ったが、誠だけは起き上がった。
誠を殺したのは…
しかし、誠も殺害されていた。
誠を殺害したのは、その後、誠に呼び出された清二だと皆実は言い、京吾と心太朗は驚く。
誠は地上げの悪事を清二にもみ消してもらっており、殺人ももみ消せると考えた。
清二がその場にいたという証拠は、皆実が階段から落ちた後に感じた香りだ。
誠がいつもスーツから漂わせていた香りで、あの料亭のお香の香りだった。
事件当夜の顧客名簿には皆実誠と護道清二の名前があった。
誠がアリバイ作りのために予約し、清二は1人待たされていたところに誠から電話で自宅に呼び出された。
皆見家の様子に驚く清二に「この男が金目のものを盗みに入り、勢津子を殺した。俺に見つかってもみ合ってる最中に階段から落ちて気絶したってことにしてくれ。指紋とか証拠を作って、こいつのせいにしてくれよ。」と誠は頼んだ。
清二は「警察官が殺人の隠ぺいに加担するなどあり得ない。」と断るが、「今更、何、正義ヅラしてんだよ!弓塚と組んで、さんざん汚えことやってきただろ?協力しないなら、あんたがやってきた悪いこと全部さらす。」と誠に脅される。
そして、意識を取り戻しかけた広見に再びナイフを持って向かう誠の後頭部を清二は灰皿で思いっきり殴った。
清二は鎌田を犯人にするため、偽装工作を行い、鎌田と広見を玄関まで運んだ。
広見を運ぶ時の清二のお香の香りが広見の記憶に刻まれた。
そして、自分がいた痕跡や自分の不正が暴かれる資料を消し去るために火を放った。
だが、家を出たところで、警ら中の山藤と出くわしてしまい、警察人生の安泰を保証する代わりに山藤を口止めをして、広見と鎌田を救出に向かわせた。
清二と鎌田の約束
心太朗は、それが事実ならなぜ鎌田は本当のことを話さなかったのかと疑問を呈す。
鎌田は誠が勢津子を殺害したと知れば、幼い広見が深く傷つくと考えた。
このまま黙っていても自分が犯人になり、心太朗が一人になってしまう。
広見と心太朗、幼い2人の息子を守るためにはどうしたらいいのか、鎌田は悩み、苦しんだ。
そんな時に清二が声をかけた。
広見は命に別状はなかったが、視力を失った。
これから生活するのには金がかかるだろうが幸い、誠の両親が広見を育てると言っている。
だが、広見が鎌田の子だと分かれば、そうはいかないはず。
鎌田が広見の父親であることは分かっている…このまま罪を認めなければ、この話も表に出さなきゃいけなくなってくる。
でも素直に認めれば、黙っていると約束する。
心太朗は自分が後見人となり、本人が望むなら養子として迎えてもいい。
残された2人の子どもが、一番幸せになる道を選ぶのが親というものではないですか?
鎌田は心太朗を本当にきちんと育ててくれますか?と清二に聞くと「私の家は代々警察一家です。正義の人間として立派な大人に育てあげる。約束します。」と答えた。
「心太朗をどうか…よろしくお願いします。」と言った鎌田は取り調べで自供を始めた。
2人の父
「これが41年前の事件の真相です。もう隠すべきことは何もないんじゃないですか?」と言う皆実に「全てその通りです。」と清二は認め、京吾と心太朗は落胆した。
皆実はひとつだけ言わせてほしいと言い、「あなたがやったことは決して許されることではありません。ですが、41年前のあの日、あの時、私を救ってくれて、本当にありがとうございました。」と清二に頭を下げた。
心太朗は自分を養子にしたのは、ただの罪滅ぼしだったんですね。と言い、「私は今まで、自分が人殺しの息子だと思って、どうにか正義の人間になろうと思って生きてきました。」
あなたみたいな正義の人間になろうと、必死で勉強し警察に入って手錠をかけまくれば、いつかは正義の人になれるんじゃないかと思って、必死になってた自分をどう思ってた?不憫なやつだと思ってたんですか?腹の中で笑ってたんですか?
そう清二に言った心太朗は「何とか言えよっ!」と怒鳴った。
「違うだろ。そんなんじゃないってお前が一番分かってるだろ?」と京吾が心太朗に言った。
最初は罪滅ぼしだったのかもしれない。でも、この人は本当の家族として受け入れていた。心太朗の成長を純粋に喜んでくれてただろ?
自分だって、心太朗のことをずっと本当の弟だと思ってきた。
お前こそ、どんな思いで見てた?
この人はお前のことを心から愛してた。
そう言った京吾は「そうですよね?お父さん。」と清二に聞いた。
皆実も「清二さん、正直に答えてください。私の弟のこれからの人生を正しく生きていくために…子供はいくつになっても親の言葉が必要な時があるんです。清二さん、お願いします。」と頼む。
清二は心太朗の前まで行き「立派な警察官になったなあ。心太朗。」と声をかけ両手を心太朗の前に出した。
清二の言葉に涙を流した心太朗は「護道清二。殺人教唆の容疑、及び殺人未遂の現行犯で逮捕する。」と泣きながら清二に手錠をかけた。
その時、「腹減ってないか…?」とベッドの鎌田が呟いた。
皆実は心太朗を鎌田の横に連れていき、手を握らせ「いますよ。ここに心太朗はいますよ。」と言った。
「心太朗…腹…減ってないか?」と鎌田は言い、心太朗は嗚咽を漏らす。
皆実も手を握り「分かりますか?私は…広見です。あなたの息子の広見です。」と鎌田に言う。
鎌田も「広見…」と名前を呼んだ。
「安心してください。私たちは幸せでした。あなたのおかげで、みんなに愛されて…生きてきました。お父さん、ありがとうございました。」と皆実は言った。
心太朗も「お父さん…ごめんね。お父さん…ごめんね。」と泣きながら謝る。
鎌田は心太朗の頭を撫で、もう片方の手で皆実に触れた。
その後
鎌田國士の葬儀が行われた。
心太朗は皆実と兄弟だとはすんなり受け入れられない上、1人で捜査をしていたことに怒っていて、皆実とはすっかり口を利かなくなっていた。
葬儀の後、帰国する皆実の見送りにも行こうとせず、佐久良に「お兄さんと向き合わなくていいの?」と言われるが「俺の兄は護道京吾だけだ。」と心太朗は答える。
その京吾は秋田県警本部長への異動が決まったと入院中に泉に報告していた。
泉には自分と距離を取るように言い「大丈夫。お前のそのバカ正直さでどこまでたどりつけるのか。正々堂々戦っておいで。」と言った。
京吾を見送る泉を吾妻がご飯に誘った。
皆実と心太朗
空港の皆実の元に心太朗が来た。
心太朗は最初から兄弟だと知っていたのかと聞くと皆実は最初は知らなかったと答えた。
だが、母のレシピで作った肉じゃがを食べた心太朗が「懐かしい味がする」と言った時に違和感を覚えた。
心太朗が味を覚えてたのだ。
「お別れですね。」と言う皆実に「この時を心待ちにしていました。」と心太朗は言う。
「ヘイ!ブラザー」と手を挙げた皆実は「本当の兄弟でしたね。」と言った。
心太朗は皆実を抱きしめた。
「父と母と私とあなた。家族4人で食卓を囲んだ時があったんです。きっとあったんです。穏やかで幸せな時がきっとあったんです。」と皆実は涙を流しながら言った。
心太朗が父から教わった料理を、皆実が母から教わった肉じゃがを教える約束をした2人。
皆実は「それでは来週。」と心太朗に言った。
アメリカとの交換研修制度は今度は心太朗がアメリカに行くことになっていた。
戸惑う心太朗を残して、皆実は飛行機のゲートへ向かっていった。
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『ラストマンー全盲の捜査官ー』感想
最終回で明かされた衝撃!
皆実と心太朗が実の兄弟だった!
異父兄弟かと思いきや…父親も同じ正真正銘の兄弟だったとは。
皆実の父親も鎌田だった。
鎌田の最期は息子2人に見守られながら…ということになりました。
清二にもきちんと愛されていたことも分かりながらも手錠をかける心太朗に涙…
最期の鎌田の言葉に…もう1人の息子である広見を呼び、2人の手を取り最期を迎えた鎌田に涙、涙でした。
大泉洋に泣かされるとは!
事件の真相
事件の真相は黒幕が弓塚ではなかった。
誠が広見が自分の息子ではなく、鎌田の息子ではないと知ったがゆえに、妻と広見を殺し、鎌田に罪を着せるのが狙いだった。
しかも、それを清二にもみ消してもらうつもりだった。
誠を殺したのは清二だった。
清二が誠を殺したのは、目を覚ました広見を殺そうとしたのを止めようとした…
そのあとに、自分の犯行や不正を隠すために火を放ったのは保身からでしたが、誠を殺したのは広見を守るためだったのは救いだったかもしれません。
皆実も自分を救ってくれたことに関しては清二に深くお礼を言っていました。
放送前から、事件の真相に隠されたあまりにも切ない真実…とありましたが、思った以上に本当に切ない真実でした。
泉くん!
泉くんは、とにかく助かってよかった。
でも、刺した人間は自分の祖父である弓塚の指示で動いていた…と思っていたが、本当はもう1人の祖父の清二の指示だったとか泉くん、可哀相すぎます。
それでも、父である京吾は、ちゃんと正義の人であり、泉のやり方を応援してくれているというだけでも救いになっていそうです。
最後に吾妻ちゃんからご飯に誘ってもらえてよかったね。
秘かに行われていた心太朗の審査
最後に心太朗が今度はアメリカに行くことが皆実から知らされました。
皆実も知らないところで審査が行われたよう…と言い映ったのはデボラ(木村多江)と電話で話す、バトラーの難波さん(王林)でした。
前回くらいから、難波さんの意味ありげな1ショットがあったりして、事件と関わっているのかとチラッと思ったりしてたのですが、心太朗を審査していたとは!
最後の最後で伏線回収され、事件に関わっているわけでもなかったので、スッキリしました。
『ラストマンー全盲の捜査官ー』全話視聴の感想
とにかく、この作品、面白かったです!
1話完結の話がありつつ、大きな事件や過去が少しずつ見えてくるっていうストーリー展開が好きで、ラスト2話が最後の大きな事件にガッツリ費やしてくれるとか、もう本当に好きな展開!
しかも、最終回前から弓塚が黒幕…それで終わりかと思いきや、そこからのあの切ない真実に、事件の本当の真相。
キャストも脚本もよくて、本当に見応えがありました。
個人的には大好きなSixTONESの京本大我くんのがゲスト出演し、きょもの演技を見れたことだけではなく、その演技がネット上で好評だったことが嬉しかったです。
次は心太朗がアメリカに行ったバージョンで続編を期待したいです。
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