2024年春ドラマ、TBS日曜劇場「アンチヒーロー」第9話が放送されました。
志水の再審のために必要な証拠を伊達原に奪われた明墨はどう動く?
明墨と桃瀬が交わした約束とは?
「アンチヒーロー」第9話をネタバレありでどうぞ!
「アンチヒーロー」第9話ネタバレ
明墨正樹(長谷川博己)は志水裕策(緒形直人)の面会に行き、謝罪をした。
少しでも早く再審を請求するために方法を探っていると言う明墨に志水はお礼を言った。
横領のしてしまったことも、やってもない罪を認めたのも自分が弱さが招いたせいだから、明墨が頭を下げることはないと話す志水。
「私と紗耶のために人生をどれだけ犠牲にしてきたのか…先生のおかげで、紗耶にまた会えました。」と言い、紗耶(近藤華)が昨日も面会に来てくれたと志水は話す。
「今生きているんだと感じることができただけで十分です。」と言う志水に「これ以上の幸せをあなたは当然受け取るべき権利があるんです。私はあなたを無罪にすると約束しました。どうかあと少し…あと少し時間をください。」と明墨は懇願した。
明墨は事務所の自分の部屋から出てこなかった。
家にも帰っておらず、何度も読み込んだ糸井一家殺人事件の資料を読み返している。
紫ノ宮飛鳥(堀田真由)は父である倉田(藤木直人)に面会に行っていたが、面会拒否され帰って来た。
動画のことを証言してもらうため、何度でも通うと紫ノ宮は意気込む。
手立てが見つからず、赤峰柊斗(北村匠海)は「ちょっと一回整理しませんか?」と提案した。
2012年3月5日、千葉県千葉市花見川区にある糸井誠の自宅で一家全員が死亡しているのが発見された。
死亡する前夜、一家は嘔吐・下痢などの症状を訴え受診していたが、翌日未明に死亡したと思われる。
現場検証の結果、高濃度のタリウムが検出されたことから、毒殺事件と断定された。
近隣住民の話によると、死亡した前日の夜7時半頃、糸井家に客が招かれ、食事会が催されていた。
警察は毒物を持ち込んだのは、この客とみて捜査を進めた。
毛髪・皮脂・皮膚片などを含む犯人の痕跡も一切残されていなかった。
糸井の交友関係が徹底的に洗われ、その結果一家とも親交が深かった志水が逮捕された。
だが実際、その夜は志水は紗耶のためにひしみ公園でぬいぐるみを捜していた。
桃瀬礼子(吹石一恵)のファイルによると、緋山啓太(岩田剛典)の盗撮動画に志水が写り込んでいた時刻は19時41分。
一方で、糸井家に犯人らしき人物が訪れたのは19時30分頃。
距離的にも志水がこの時間に糸井家にいることは不可能だった。
だが、この時はまだ誰も動画の存在を知らなかった。
志水が公園に行ったことを知っていたのは紗耶だけで、警察は父親が5歳の子どもを言いくるめてるとしか思わなかった。
その上、会社の金を横領していたことや糸井とトラブルになっていた証拠が出てきて、どんどん疑いが強まってしまった。
ここまでまとめると、青山憲治(林泰文)が赤峰と紫ノ宮にも目を通すようにと、桃瀬が作成した事件のファイルを渡した。
「桃瀬さんってどんな方だったんですかね?」と言った赤峰に「とても優秀な方でしたよ。」と青山が答えた。
桃瀬は青山の大学時代の後輩だった。
青山も以前は弁護士志望で、明墨との付き合いもその頃からだった。
極度のあがり症で、司法試験に4回チャレンジしたがダメで、妻の妊娠をきっかけに営業職に就いたが、5年前に明墨と再会し、この事務所のパラリーガルとなった。
青山が桃瀬が亡くなったのを知ったのも明墨と再会した5年前だった。
赤峰のノートを見ると、よくメモを取っていた桃瀬のことを思い出すと青山は言った。
赤峰は桃瀬の実家を訪れていた。
桃瀬の母・美枝子(麻生祐未)は事件に関係しているものはほとんど明墨に渡したが、整理したら少し出てきたと言ってくれた。
桃瀬は亡くなる前に入院してからも、ずっと志水の事件について調べていたと「医師の先生方に毒について質問して困らせたりして。」と美枝子は言った。
そして、桃瀬が最後までつけていたという日記を手渡してくれた。
「そんな大事な物を…」と言う赤峰に「礼子の意志を明墨さんが継いでくれただけでもありがたいのに、今こうしてあなたみたいな仲間が増えてあの子は喜んでいると思います。」と美枝子は日記を手渡した。
美枝子は「あの子が言うんだから、志水さんの無罪は間違いありません。どうか志水さんを救ってください。」と赤峰にお願いした。
赤峰は事務所に戻り、新たに手渡された付箋のたくさんついた桃瀬の資料を出した。
「お母さま元気だったか?」と部屋から出てきた明墨に赤峰は桃瀬の日記を渡した。
明墨は部屋に戻り、桃瀬の日記を開く。
4月1日 あの伊達原さんの下につくことになった!検事なら誰もが目標にする憧れの検察官。がんばろう。
6月10日 伊達原さんのことで気になる話を聞いた。千葉で起きた糸井一家殺人事件で志水のアリバイを示す証拠を隠滅したって。あの事件をきっかけに伊達原さんは次席検事に出世した。まさかとは思う。でも本当だとしたら大変なこと。
6月21日 あのことを同期に話した。明墨くんは当時応援に駆り出されたって聞いている。
桃瀬は明墨に志水のことについて調べてみたらやはり色々とおかしいと話していた。
だが、「伊達原さんが証拠を隠滅したという証拠は?噂ベースなら検証する価値もない。」と一蹴されてしまった。
桃瀬はあとから志水を自白させたのが明墨だと聞いた。
「彼に相談したのは間違いだった。」と日記には書かれていた。
9月6日 深澤刑事と会った。伊達原さんの噂は、彼が漏らした言葉が広がったみたいだ。
深澤刑事(音尾琢真)は盗撮動画を送りつけられるという嫌がらせ被害に遭った女性から相談を受け、その盗撮動画を見せてもらったら、志水が写っていたのだ。
そして事件の捜査本部長だった倉田に報告したところ、「慎重に確認したいから預からせてくれ」と言い、深澤は動画を渡した。
後日、「あれは志水ではなかった。」と言われたが「今思えば…」と深澤は言葉を濁した。
桃瀬は深澤に証言してもらえないかと頼んだが、拒否されてしまう。
それでも桃瀬は「志水さんの冤罪は間違いない。大きな一歩だ。」と記していた。
10月26日 志水さんからは面会拒否され続けている。手紙読んでくれるといいけど…
3月12日 志水さんの娘が保護犬の施設に通っていると知った。牧野紗耶ちゃん。少しずつ歩み寄れるといいな。
5月8日 ついに紗耶ちゃんの愛犬・ココアが懐いてくれた。紗耶ちゃんも少しずつ笑顔を見せてくれている。
10月2日 宇都宮地検に異動の辞令。この時期の異動なんて普通あり得ない。でも真実に近づいている証拠なのかも。
3月27日 仕事が山積み。せめて週末だけでも千葉に行って、事件の調査を進めたい。どうも調子が悪い。疲れてるのかな。
4月7日 病気が見つかった。情けない。入院なんかしてる場合じゃないのに。
9月16日 また入院。もう時間がない。明墨くんを呼びだした。
桃瀬は明墨にファイルを渡した。
「糸井一家殺人事件」と書かれたのを見て「まだ調べてたのか。」と明墨は驚いた。
「志水さんの冤罪は間違いない。読んでくれれば分かる。明墨くんには志水さんを自白させた責任がある。一度でいいから目を通して。」と桃瀬は懇願した。
桃瀬の病室を出た明墨は病院ロビーの椅子に座り、ファイルを開いた。
表紙の裏には「明墨君へ」と書かれた封筒が入っていた。
明墨君へ
志水さんを救って。
こうなってみて分かる。
命は有限で尊い。
私ももっと生きたかった。
でもまだ救える命がある。
誰一人無実の罪で命を奪われることのないように…その命を奪うのが司法権力の傲慢であってはならないと、一人の検事として強く思います。
どうか私たちが司法の信頼と誇りを取り戻せますように。
桃瀬の日記を読んでいた明墨は引き出しの中から桃瀬からの手紙を出して、読んだ。
日記の最後には「その未来を私もこの目で見たかった。明墨君と一緒に。」と書かれ、文字が涙で滲んでいた。
涙で滲んだ桃瀬の日記の一文をなぞった明墨の涙が、桃瀬の日記に落ちた。
「私もだ…桃瀬」と明墨は呟いた。
明墨は部屋から出て、「全て読んだが、ファイルにある以上の手がかりは見当たらなかった。」と報告し「桃瀬はきっと君たちの尽力に感謝しているはずだ。」と言った。
すると明墨は床に落ちていた付箋を拾った。
「似てる?」と書かれた付箋は桃瀬の資料の中の本についていたのが落ちたものと思われた。
どの本から落ちたものかは分からず、明墨はその付箋をホワイトボードに貼る。
紗耶の養護施設の様子を外から隠れるように見る瀬古判事(神野三鈴)に明墨は声を掛けた。
弾劾裁判では黙秘を続けている瀬古に「話せば楽になると思うんですけどね。あなたが不正に手を染めたきっかけは伊達原だと。」と言う明墨。
「裁判で全て話してもらえませか?」と明墨は瀬古にお願いした。
志水の判決を下した時、瀬古は何も知らなかった。
検察が出した証拠を信じ、考え抜いた末、志水には死刑が妥当だと判断した。
冤罪の可能性を知ったのは桃瀬が会いに行ってから。
桃瀬は志水のアリバイを証明する動画が存在したが伊達原が隠蔽したことを伝え、志水が無罪だと瀬古に話した。
それを聞いた瀬古は明らかに動揺したと桃瀬の記録には書いてあった。
過ちに気づき、ずっと後悔してきたがゆえ、罪滅ぼしのため、紗耶のいる養護施設で寄付やボランティアをしてきた。
「あなたが見て見ぬフリしてきたせいで、一人の命が失われるかもしれないんです。手遅れになる前に声を上げませんか?」と明墨は言うが、「無駄よ。私は何も知らない。」と瀬古は去ろうとする。
「伊達原は自分のルールからはみ出した人間を絶対に容赦しない。あなたももうすぐ潰される。」と瀬古は言うが「構いませんよ。失うものがなければ何でもできますからね。違いますか?瀬古判事。」と明墨は答えた。
白木凛(大島優子)が今日発売された週刊誌を何冊か持ってきた。
それは明墨が緋山の事件で証拠を隠滅した噂を記事にしたもので、志水の冤罪主張に言及している記事もあり、明墨が紗耶と交流していることから、個人的な感情で冤罪を主張していると書かれていた。
伊達原がマスコミを使って印象操作をしているのだろう。
緋山の元にもマスコミが行くかもしれないと明墨は赤峰に指示を出した。
赤峰と合流した緋山は「例のジャンパーは?」と聞き「事務所に保管してあるので大丈夫です。」と赤峰は答えた。
紗耶は明墨に電話で「パパのことが大丈夫なら私は大丈夫。信じて待つ。」と力強く答えた。
赤峰はマスコミの目を避けるために明墨の代わりに志水の面会に行った。
再審に持ち込めるような証拠を探しているがなかなか…と話し「当時のこと、もう一度ちゃんと聞かせてもらえないでしょうか?思い出すのもつらいことだと思います。ですが…。どんなささいな情報でも構いませんおねがいします。」とお願いした。
すると志水は「実は…」と言った。
赤峰は志水の被疑者ノートを受け取り、事務所に帰って読んでいた。
そこに、今日も父に面会拒否をされた紫ノ宮が戻ってきた。
赤峰はノートを読んでも手がかりはないばかりか、「読み進めるのがつらくて…」と言った。
紫ノ宮は赤峰からノートを受け取り読み始めた。
逮捕されて5日。アリバイに関する取り調べ。拒否するも10時間拘束。
逮捕されて10日。犯行時の尋問調書。取り調べ時間11時間。飲食物与えられず。
「ですから私は…」と否認する志水に「嘔吐に下痢。眼瞼下垂に弛緩性麻痺。このあたりの症状はお前が帰る頃にはもう出始めてたんだろう?お前それ見て楽しんでたのか?」と刑事は言う。
「そんな残酷なことできるわけないだろ!俺にも娘がいるんだぞ!もういい。ここから出してくれ。紗耶に会わせてくれ。ここから出してくれ。」と言う志水。
逮捕されて25日。犯行時の尋問調書。取り調べ時間11時間。飲食物与えられず。答える気力も湧かない。聞いてもくれない相手に何を言えというんだ。
逮捕された52日。
明墨の取り調べで「娘さんこれからどうやって生きていくと思う?殺人犯の娘、それをひた隠しに生きて行かなきゃならないんだよ。」と言われた志水。
紗耶は殺人犯の娘なのか?紗耶に会いたい。
妻の死を知り、紗耶が児童養護施設に入れられたことを明墨に聞いた志水。
紗耶に会いたい。会いたい。
志水のノートを読んだ紫ノ宮は何かに気が付いたようにノートを遡った。
刑事の言葉で「眼瞼下垂に弛緩性麻痺」を気にした。
紫ノ宮は現在、集団食中毒の案件を扱っており、毒について色々調べていたが、タリウムに眼瞼下垂と弛緩性麻痺の症状が出た覚えがなかった。
毒についての本を確認すると、やはりタリウムの症状ではなかった。
赤峰が調べると、検察の調書にも出てこない。
刑事の勘違いか志水の記憶違いの可能性もあるが、赤峰は「世の中の発見や発明は全て推測や仮説の上に成り立っている。」という明墨の言葉を思い出す。
赤峰と紫ノ宮は次の日、事務所で毒物に関して話をする。
検察の調書によると、薬毒物鑑定は千葉県警の科捜研で行われ、鑑定の結果、使われた毒物はタリウムだと判明。
タリウムは志水が会社の倉庫から持ち出せる毒物だった。
だが逮捕されて10日後、取り調べの刑事が「糸井一家には嘔吐・下痢、眼瞼下垂に弛緩性麻痺の症状が出ていた。」と言っていた。
タリウムでは眼瞼麻酔や弛緩性麻痺の症状が出ることはない。
取り調べの時には毒物はタリウムであるという鑑定結果が出ていたのに、なぜ刑事がこんなことを言ったのか?
こんな言葉、資料を読みながらでもなければ、なかなか普段言う言葉ではない。
刑事の勘違いでなければ、誰かが意図して毒物の鑑定結果を書き換えたと考えられる。
毒物の鑑定は難しく、特定には時間もかかる。
志水が手に入れやすい硫酸タリウムなら起訴するうえで大きな説得力になる。
明墨が応援に呼ばれたのは志水の最後の勾留期間であったことから、このころにはすでに鑑定結果が書き換えられており疑う余地はなかった。
「今話したのは、僕らが作った…」と言う赤峰の言葉を遮り「そのストーリーに書き加えるとしたら、こういうことになるだろう。」と話し始めた。
当時、伊達原はイラついていた。
志水を勾留していたものの、起訴するだけの十分な証拠は出ていなかった。
このままでは証拠不十分で志水を逃がすことになる。
それでは西千葉建設の横領事件の真相も遠のいてしまう。
伊達原にとってはそれだけは絶対に避けたい事態だった。
ならば志水が犯人だと示せるだけの証拠を作ってしまおう。
そう考えた伊達原は科捜研の担当者に指示を出して鑑定結果を書き換えさせた。
犯行に使われた毒と症状が似ている毒に。
そこまで話した明墨は「似ている?」と言葉に反応した。
あの時、桃瀬の本から落ちたと思われた「似ている?」と書かれた付箋をホワイトボードから剥がし「桃瀬は気づいていたんだ。」と言った。
皆で毒の専門書を出し、眼瞼下垂と弛緩性麻痺の症状がありタリウムに似ている毒をリストアップする。
その中で、一番可能性のあったのはボツリヌストキシンだった。
明墨は桃瀬が調べていた本のボツリヌストキシンのページを開くと、落ちていた付箋と繋がるペンの跡を見つけた。
そしてそこには「医者・改ざん」とメモがされていた。
赤峰は桃瀬の母との会話を思い出し、桃瀬は医者との会話で改ざんの可能性に気が付いたのではないかと話した。
明墨は毒物の鑑定者の名前を青山に尋ねると、平塚聡で8年前に退職し、今は練馬区に住んでいるとの情報が。
赤峰が話を聞くべく、急ぐ。
紫ノ宮は明墨を伴い、父の面会に行くと、面会に応じてもらえた。
倉田は「あなたに言いたいことがあって来たんですよ。娘をこれ以上巻き込むな!」と怒りを見せた。
それでも明墨は「あいにくですが手放すつもりはありません。娘さんにはまだまだ利用価値がある。」と言い「ふざけるな。人の娘を何だと思ってる?」と倉田は怒りを増長させた。
「非常に優秀で便利な部下です。あなたを揺さぶるにはもってこいです。」と明墨は煽る。
糸井一家殺人事件のことで聞きたいことがあると明墨が言っても「何も話すことはない。」と言う倉田に「娘んさんのためですか?」と明墨は聞き、紫ノ宮は驚く。
「伊達原もたちが悪い。娘を人質に取るなんて。へたに喋ったら娘の将来が潰される。自分は捕まっても構わない。美しい父の愛じゃありませんか。」と明墨は言い「どういうこと?」と紫ノ宮は聞いた。
何も答えない父に「これまで口をつぐんできたのは、私のため?」と改めて聞く紫ノ宮。
「もう帰ってくれ。」と戻ろうとする倉田に「ふざけないで!私の将来が何?そんなのどうだっていい。志水さんは冤罪でいつ死刑になるか分からない状況にいるんだよ。人の命より大事な将来って何?それに分かってるはずでしょ。志水さんが犯人じゃないってことは真犯人はまだ野放しってこと。なのにお父さんは何年も見て見ぬフリしてきたんだよ。それでも…それでも警察官?」と紫ノ宮は言った。
そして、志水の被疑者ノートを見せ「後半は紗耶ちゃんのことばっかり。会いたい。会いたい。会いたい。志水さんがどんな気持ちでいたかお父さんに想像できる?ねえ、答えてよ。お父さん!」と聞いた紫ノ宮に倉田は涙を流した。
「想像したよ。何度も。何度も何度も。あの動画を見た時、正直すぐにでも公表すべきだと思った。でも、あの時、すでに志水の裁判は始まってた。」と語る倉田。
当時、倉田は「一度しか言いません。この映像は警察では発見されなかった。」と伊達原に言われていた。
「ですが…」と反論しようとする倉田に「『ですが』じゃない!いまさら無実だと?ふざけるな!」と伊達原は倉田の胸ぐらを掴んだ。
「こんなこと発表してみろ。君と僕の責任で済む問題じゃないんだよ!もちろん辞職して責任を放棄するなんてありえない!そんなのは禊でもなんでもない!志水の家は崩壊し、妻は他界した。私たちが殺したとマスコミが騒ぎ立てる。『同じ目に遭うべきだ!人殺しだ!』と。そんな世間の目が容赦なく我々の家族に襲いかかる!君の娘にもだよ!これは脅しじゃない。うちももうすぐ、やっと授かった子どもが生まれるんだ。私も君と同じ十字架を背負う。」と伊達原は倉田に言っていた。
「志水さんには本当に申し訳ないことをしたと思う。でももう取り返しがつかない。」と言う倉田に「人殺し!と言われたくないがために、あなたは人を見殺しにしようとしているんですね。」と明墨は容赦ない言葉をかける。
「志水さんの命はこれからでも救うことができる。」と言った明墨は「答えてください。倉田さん。糸井一家殺人事件で使用された毒は本当は硫酸タリウムじゃなかったんですよね?毒物の鑑定結果は改ざんされていた。」と聞いた。
倉田は「確かに捜査初期の頃は毒の情報は錯そうしていた。だが、ある時科捜研の人間が来て、『テーブルから検出された毒は硫酸タリウムだった。遺体からも同じものが検出された』と。毒の鑑定は難しい。ある程度時間がかかるのもいつものことだ。だから特段おかしいとは思わなかった。」と話した。
明墨は「その科捜研の人間とは平塚聡で間違いありませんか?」と聞くと、倉田は肯定したが、「ただ…」と言った。
桃瀬の墓にいる明墨に平塚は3年前に病死していたと赤峰から連絡が入っていた。
その後、赤峰は平塚の助手だった人間を何人かリストアップして、今週中に何人か会えそうだと事務所で明墨に報告した。
明墨は「赤峰くん、いろいろありがとう。」とお礼を言った。
赤峰が明墨の部屋から出ると、警察の人間が事務所を訪れた。
明墨は羽木精工社長殺害事件での証拠隠滅罪で逮捕状が出ていると連れて行かれた。
伊達原の部屋には緑川歩佳(木村佳乃)が明墨が拘束されたことを報告しにきた。
「かわいそうにね~。」と言う伊達原に「そうですか?当然の報いだと思いますけど。」と言う女性が。
「いいんですか?明墨にはそれなりの恩もあったんでしょ?」と伊達原が聞く、そのテーブルには緋山が羽木を殺した証拠となる血の付いたジャンパーがあった。
「別に。優秀な弁護士さんが来て、用済みみたいだから。」と答えたのは白木だった。
追いかけたきた赤峰と紫ノ宮に「あとは任せた」と言った明墨は警察車両に乗せられ、連行されていった。
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「アンチヒーロー」第9話感想
明墨の逮捕と白木の裏切りという衝撃のラストで終わった第9話。
逮捕される前の明墨は赤峰に改めてお礼を言うなど、逮捕されることを予測していたようでした。
そうすると、白木の裏切りも明墨の指示では?
白木が明墨を裏切ったように見せて、わざと逮捕され、自分の裁判で伊達原のことを暴くとか?
あの週刊誌も実は伊達原からのリークではなく、逮捕されるために明墨が記事を書かせたとかは深読みし過ぎでしょうか?
前回チラッと白木が言った明墨の事務所に入った理由も何か関係していそうな…。
桃瀬の墓参りをする明墨のシーンで花束を持った人影が見えました。
誰かは分かりませんでしたが、あれは緑川ではないかと思います…。
同じ検察官である緑川は桃瀬の後輩だったとか?
実は緑川も桃瀬の遺志を継いで明墨の味方なのでは…と期待しています。
志水の事件については動画はなくなったものの、毒物についての鑑定結果の改ざんの可能性が出てきました。
だが、それについては証言をしてくれそうな人がいない…。
最終回直前に登場してきた桃瀬が話を聞きに行った刑事役の音尾琢真さんは、もう出てこない?
証言はしてくれないのでしょうか?
ラスト1話で全てをひっくり返すことはできるのでしょうか?
「アンチヒーロー」次回は?
「アンチヒーロー」次回は最終回!
明墨の逮捕!
白木の裏切り?
全伏線回収の最終回!
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