2023年夏ドラマ、TBS金曜ドラマ「VIVANT」最終回が放送されました。
任務でテントに潜入したことがバレた乃木の運命は?
40年を超えた親子の物語のラストとは?
「VIVANT」最終回をネタバレありでどうぞ!
「VIVANT」最終回ネタバレ
ベキは分かっていた!
「別班の任務でテントに潜入した」と告白した乃木憂助(堺雅人)に刀を向けたノゴーン・ベキ(役所広司)は乃木が吊るされている縄を切り、ほどいてあげるように言った。
ノコル(二宮和也)は「どうしてお父さん!実の息子だから助けるんですか?こいつは裏切者ですよ。」とベキに言う。
ベキは「全部承知の上でここまで生かしておいた。」と答えた。
乃木が施設で手に持った米の重さを精密に言い当てたことで、ベキは黒須駿(松坂桃李)を撃つようにと渡した銃の重さを分かっていたのだと気づいた。
あの時、ベキが最初に渡した銃には弾は入っていなかった。
そして、それを乃木は分かっていた。
だが、ノコルが渡した銃は弾が1発入ってるか入ってないかの重さだった。
迷った末、1発目は黒須が避けられる位置を狙った。
2発目は100%入っていないと分かっていたから、黒須の目の前で引き金を引いたのだった。
そして、乃木に撃たれた別班員の消息もバトラカ(林泰文)に調べさせていた。
4人を緊急処置したクーダンの医師を突き止め、話を聞いていたのだ。
本当に仲間を殺していたら、息子であろうと軽蔑に値するが、テントに潜入するために味方まで欺いたことをベキは分かっていた。
乃木の作戦
乃木は「日本に脅威となる者を排除するためなら手段を選ばないのが別班。」とし、「私を殺すつもりだったのか?」と聞くベキに対し「はい」と答える。
各国でテロを繰り返すテントの指導者、我が日本に危険が及ぶなら即時抹殺を命じられていた。
当初の計画ではノコルの拘束だったが、アリ(山中崇)がベキに忠誠を誓い家族が殺されてもテントのことを吐かなかったことから、ノコルを拘束しても何も吐かないことは明白だった。
そんな時にアディエルが「善悪を見抜く力がある」と言っていたジャミーンが乃木が見ていたベキの写真を見て微笑んだ。
ジャミーンがベキを深く慕っているのが分かった。
「すごく優しい人。お父さんみたいな人」とジャミーンは乃木に教えてくれた。
乃木は「自分の父は本当は心根の優しい人なのではないか?だとしたらテントの重要な側面を見落としているのかもしれない。」と思い、テントの本質を捉えるためにも実態を確かめる必要がある。と司令の櫻井里美(キムラ緑子)に訴え、潜入作戦を決行していた。
その作戦を知っているのは櫻井だけだった。
野崎に賭けた
ノコルは別班員の死を装い、日本に送っていることから他にも協力者がいるはずだ!と乃木に詰め寄る。
「野崎さんに私は賭けたのです。」と乃木は言った。
野崎守(阿部寛)は公安外事課の刑事だと説明した乃木は野崎にいくつかのサインを送っていたことを話す。
野崎が仕込んだ発信機を一度遮断し、再び信号が出るようにしてヴォスタニアを拘束した小屋に置き、野崎を呼び寄せた。
そして、ノコルから送られてきた座標を司令から野崎にメールで送信してもらった。
気づいた野崎
野崎は座標が送られてきたメールの送信者が乃木に話したかつて亡くなったエージェントのリュウ・ミンシェンだったことから、座標が乃木からのメッセージだということに気づいた。
そして、そこに行き見つけた別班員は全員急所を外され、脈があったため、すぐに緊急搬送した。
別班員が胸に仕込んでいたカメラを回収した野崎は、あの場所で何があったのか知った。
リュウからのメールと言い、乃木が何かを託そうとしているのは分かった。
飛行機の中で言われた「あなたは鶏群の一鶴」は“際立って優れた人”という意味。
「眼光紙背に徹す」に意味を調べると“背後にある深い意味を読み取れ”だった。
それがメッセージだとしたら、何か他にもあるはず。
野崎は飛行機を降りた乃木が「スネイプ社との商談」と言っていたことを思い出す。
「スネイプ」と言えば「ハリーポッター」の“スネイプ先生”だ。
野崎が「ハリーポッター」を好きなのは乃木も知っている。
スネイプ先生は裏切者に見えて、校長やハリーを助けるために敵に潜入していた偉大な先生だ。
野崎は何かに気が付き、チンギスに棺桶を4つ大至急用意するように言った。
どういうことかと聞くチンギスに「乃木はスネイプ先生だったんだ。」と野崎は言った。
そして、乃木の命を守るために空の棺桶を日本に送り、別班員4人が死んだように偽装した。
協力
全てを話した乃木はベキに任務で来たと分かっていながらなぜそのままにしていたのかを聞いた。
黒須はどんな目に遭っても仲間の為に決して口を割らなかった。
乃木も死を覚悟してやってきた。
日本を守るために常に任務を全うする2人は生かす価値があるとベキは思ったのだ。
それを聞いたノコルは「命を奪われるかもしれないのにですか?」と聞くが「息子に命を奪われるなら本望だ。」とベキは答えた。
バトラカも別班員が生きていると判明した時に同じように忠告していた。
だがベキは「テントの真の目的を知れば、憂助も別班員として力を貸してくれるだろう。」と言っていた。
「どうだ?憂助」とベキは聞いた。
「我々の任務は日本を守ること。フローライトの採掘が成功すれば潤沢な資金が継続して得ることができ、報酬のためにテロを行う必要はなくなる。つまり日本も攻撃を免れる。一時ではありますが、今はテントに加担することに利があると考えます。」と乃木は答えた。
乃木は任務としてテントの力になることを決めた。
政府側にフローライトの情報を流した者が次の手に出てくるはず。と言われた乃木は必ず内通者を捜し出すと言った。
そしてベキは黒須を吊るしている縄も切った。
黒須に「君はこの事業に必要な知識を多く持っている。この国の未来のために、お前たちの力を貸してくれ。」とベキは頭を下げた。
外務大臣との面会
自分のゲルに黒須を連れてきた乃木は黒須に胸ぐらを掴まれる。
乃木を話した黒須は「俺にだけは…言ってほしかった。」と言い、乃木も「すまなかった。」と黒須と抱擁した。
内通者をあぶり出すためハッカーの太田梨歩(飯沼愛)に連絡するように黒須に言っているとノコルが現れた。
政府から呼び出しがあったから乃木と黒須にも同席するように言いに来たのだ。
政府との話し合いの場に現れたのは外務大臣のワニズ(河内大和)と日本の駐バルカ大使の西岡英子(檀れい)だった。
西岡は乃木がいることに驚き、乃木は「縁あってこの会社の手伝いをしている。」と説明した。
ワニズは「あまり部下には聞かれたくない」と日本語で話し始め、西岡らを驚かせる。
ワニズはフローライトの採掘権は前国土大臣の許可通りだったと確認不足だったことを詫びた。
そして政府から提案があると言った。
西岡と一緒に同席したいたのは日本のオリベ化学の蘇我(小林隆)だった。
オリベ化学とはエネルギー資源を他国と共同で開発し日本への流通経路を築き上げた大手だ。
バルカ政府はオリベ化学と提携を結んだ。
掘削機の選定や納入、プロジェクト管理にリスクマネジメントなどを協力すると言うのだ。
日本の経産省も積極的に協力すると言っている。
採掘権の25%をオリベ化学に、10%を仲介役としてバルカ政府に合わせて25%の採掘権を譲渡し、比率に応じて利益を分配する形で共同で事業を行わせてほしいとワニズは言った。
日本が欲しいのは利益ではなくフローライトそのものだと乃木は指摘。
西岡もそれを認め、採掘した高純度のフローライトは中国ではなく日本に優先的に売却してほしいと言う。
その見返りにオリベの持つ採掘から品質基準を保って流通させる一連のノウハウを無償で提供するというのだ。
ワニズはすぐに返事をとは言わないから検討をしてほしいと言った。
提案について
帰ったノコルたちはゴビ(馬場徹)も含めて、政府からの提案について話し合う。
何としても全権を主張してくるかと思ったが、今回の政府の提案だと政府に入る利益は10%のみだった。
ベキも決して小さな額ではないが、予想以上の歩み寄りだと驚いていた。
だが、気になるのは内通者だった。
乃木は西岡大使と経産省が裏で動いていたことが気になっていた。
外務省と経産省がここまで早く連携することは、ありえない。
乃木がバルカ大使館で半年前に西岡がワニズの言いなりになっているところを見ていたことから、そのころからワニズはフローライトの情報を知っていたと見られた。
日本企業を裏で進め、テントが土地を全部購入したタイミングを見計らって、あの話し合いの場に登場したのではないか。
ノコルもこのまま内通者によって情報が漏れるのはまずいと、内通者が分かるまでは調印はしない方がいいとした。
内通者
乃木と黒須に太田から連絡が入る。
それはゴビの個人携帯の記録だった。
政府に情報を流していたのはゴビの秘書のジャンだった。
ジャンはゴビの個人携帯にに不正アクセスをし、暗号を用いて政府に情報を流していたのだ。
その証拠を見せられたゴビは深く謝罪をし、ゴビを捕まえ全部吐かせるとゲルを出て行こうとするが、ベキが止める。
そんなことをしたら、こちらの動きに気づかれ政府が別の強行手段に出てくる。
これ以上、情報が洩れないように注意しながら調印を行うとベキは言った。
調印に当たり、ノコルは現在の割合に基づき、ノコルのムルーデル15%、ゴビのべレールが10%を政府にそれぞれ渡すことでいいな?とゴビに確認した。
加えて、こちらからも政府に条件を突きつけることにした。
それは財務省に新たな部署を用意させ、資源開発の特別長官にノコルが就くように政府に要求するのだ。
フローライトはバルカに莫大な利益をもたらすことになる。
その利益は全ての国民に分配されなければいけない。
そこにノコルが目を光らせるのだ。
本当の裏切り者
5日後の調印式。
バルカ政府はノコルを資源開発担当特別長官として受け入れることを了承したとワニズは言った。
調印が終わり、席に着こうとするとゴビは政府側のテーブルに呼ばれ、書類にサインをするように言われた。
「おい。なんだそれは?」と聞くノコルに「悪いな。ノコル」と言いゴビはサインをした。
ゴビはべレール興産の持つ採掘権30%の権利をバルカ政府に売却することにした。と言う。
ワニズとゴビは高笑いをした。
これで政府の権利が55%になった。
これでフローライト開発は政府主導となることになる。
それに伴い、国家プロジェクトとして政府で利益の分配をするとワニズは言った。
併せてノコルの特別長官の任も解くと言い、採決を取る。
ゴビと国土交通大臣が挙手をし、「長い時間をかけて、ご準備をされたのにご苦労様でした。」と笑いながら言うワニズに「どこ見てんだよ?何も分かっちゃいないな。」とノコルは言った。
ノコルの視線の先には挙手をしていない西岡と蘇我の姿があった。
西岡を責めるように「大使!」と言うワニズ。
そこに現れたのは野崎、ドラム(富栄ドラム)、チンギスとバルカ警察だった。
野崎に付いてチンギスもノコル側の席に着く。
野崎は「さあ、西岡大使。決断の時ですよ。」と言った。
調印5日前
今から5日前。
ゴビの秘書のジャンが内通者だと分かった後、乃木の元には太田からゴビがジャンに政府へのメールを送らせていたウェブカメラの映像が送られていた。
その映像を見たノコルは驚く。
そしてゴビが政府と通じてるとなれば、ゴビが寝返った後に採掘権が55%が政府のものとなり過半数を超え、政府が主導権を握ることは明白だった。
手に入れた土地は安値で奪われ、最悪に場合はこの事業から追い出されることにもなりかねなかった。
乃木の説明を聞いていたノコルは呆然となり、「私のせいで…」と床に頭をつけ謝った。
ベキはノコルに頭を上げるように言い「お前だけが苦しむ必要はない。私たちはみんな騙された。」とノコルを抱きしめた。
バトラカはなぜゴビはここまで隠し続けたのかと疑問を呈した。
乃木は「なるべくお金を使わずに一気に全てを奪い取るスキームを立てたのでしょう。」と言った。
3年前から西岡大使とオリベ化学を引き入れる準備を始め、全ての土地が購入されるのを待った。
そして国土交通大臣が来て、「フローライトのことは全部知っているぞ。」と強気に迫る。
こちらが政府に大半を持って行かれるのではないかと危機感を持ったところで、ワニズが低姿勢でオリベ化学と合わせて25%だけを求める。
思った以上の歩み寄りにそれなら悪くないとこちらも感じる。
その裏でゴビがジャンの証拠が見つかるように用意し、内通者の心配がなくなったと調印したところでゴビが寝返り一気に全てを持っていく。
そんなスキームだったのだろう。
だが、このまま調印しなければムルーデルの権利は60%のままだが、そうすればゴビや政府が採掘機器や運搬ルートなどで圧力で妨害してくるのは間違いなかった。
調印まであと5日。
国土交通大臣のエイン・ワニズ・ゴビを3人まとめて葬り去るしか生き残る術はなかった。
乃木とベキの覚悟
1人悩む乃木の元に「F」が現れた。
「苦しいよな。だが、いずれその時は訪れると覚悟はしていただろ。ノゴーン・ベキの指示で世界には…」と言う「F」に「分かってる!迷いはないよ。」と乃木は言った。
乃木は父が名前を呼んで息子だと認めてくれた。愛してくれた。これ以上望むものはない。正しい道を歩む。と「F」に言った。
ベキの元に行った乃木は「ひとつだけ事態を打開する方法がある。」と言った。
ゴビに裏切られたと知った今、政府に主導権を握らせないためには、日本側の西岡とオリベ化学を引き入れるしかなかった。
その方法をノコルに聞かれた乃木は言葉を飲んだ。
そしてベキに「お父さん…」と話し始めた。
ベキに会うまで不安だった。
僕のことを覚えているだろうか?会っても何も感じないなんじゃないか?僕のことを愛してくれないんじゃないか?と…。
離れ離れになったあと、ずっと捜してくれていたと聞いて、たまらなく嬉しかった。
僕はずっとあなたに愛されていた。
母と僕を失い、絶望の淵に立たされながらも路頭に迷う子供たちを救い、何十年もの間バルカの民から厚い信頼を得て、弱気人々を助け続けた。
息子として、そんな父を心から尊敬します。
あなたの息子であることを誇りに思う。
だが、罪のない多くの人たちを傷つけてきたのは事実。
いつか罪を償ってもらいたいと思っていた。
そんなことを涙ながらに話す乃木に「お前は何にも分かってないな。」とノコルは言った。
ベキは最初から全てが終わったら罪を償うつもりでいた。
立ち上がったベキは「野崎だな?」と乃木に聞いた。
野崎ならバルカの未来のために必ず日本を動かしてくれると乃木は言う。
その代償にベキの身を公安に渡す。
日本の公安なら世界の諜報機関の中でも最も公正な判断をしてくらるはずだから、ベキの尊厳を必ず守ってくれる。
「血で汚れた手だ。何人もの人をこの手で殺し数えきれないほどの罪を犯した。私の望みはフローライトを軌道に乗せ、テントを解体すること。」とベキは言った。
「ようやく、罪を償う時が来た。」と晴れ晴れした表情で言うベキに涙を流す乃木。
そんな乃木にノコルは「もう、泣くな。」と自身も涙を堪えながら言った。
ベキは「憂助!連れてこい!」と言った。
ベキと野崎の初対面
乃木に呼ばれた野崎が姿を現した。
「公安部外事課の野崎です。」と挨拶する野崎に「懐かしい響きだ。」とベキは言った。
野崎に本当に日本を動かせるのか確認したベキ。
「必ず!」と答えた野崎は護送先までの安全と秘密の保持は保証した。
テントが行ってきた全ての犯罪行為は全てベキが指示をし、バトラカは軍事協力でピヨ(吉原光夫)は交渉役をしていた。
ノコルは何も手を汚していなく、彼にはこれからこの国を変えていく使命がある。
野崎に身を委ねるのはベキ、バトラカ、ピヨの3人。
ベキの言葉に野崎はフローライト事業が動き出したらテントは解体し、今後一切か活動は行わないことは間違いないか確認した。
バルカは他のどの国とも犯罪人引渡条約を結んでいないため、ノコルを諸外国が追うことはないだろう。
だが、バルカ警察は別だった。
そこは野崎が抑えると言い、ノコルがこの国のために働き続けることができると言い切った。
大使の判断
乃木と野崎はバルカ大使館に向かった。
西岡がワニズに現金を渡す様子を映した映像を西岡に見せる。
野崎は大使館から逃げ出す前に西岡の部屋に隠しカメラを取り付けていたのだ。
この映像から西岡がオリベ化学と共にワニズに裏金を渡していたことは明白だった。
半導体の原料となる高純度のフローライトの調達では日本は中国に大きく後れを取っていた。
3年前にフローライトが発見されたことを知ったゴビが金儲けができるとワニズに採掘権比率逆転の計画を持ち掛けた。
日本の状況を知るワニズは西岡に話を持ち掛け、多額の裏金を要求。
西岡はすぐに日本へ報告すると、高純度のフローライトが手に入るならと経産省は外務省を通じ、バルカ政府の要求を飲むように言った。
だが、バルカ政府の言いなりになり事業に参入するべきか西岡も悩んだのだろう。
だが、この事業は日本のためだとワニズに多額の裏金を渡すことを決め、オリベ化学を引き入れバルカ政府側に付いた。
そこまで説明した乃木と野崎に「だとしたら何だって言うんですか?」と西岡は怒鳴る。
「我々と手を組みませんか?」と乃木は言った。
バルカ政府と同様に採掘権に対する15%譲渡とフローライトの優先的な日本への輸出を約束する。
裏金に関しても、バルカ警察にワニズに脅迫を受けて仕方なく金銭を渡したと判断されるように話をつけてあった。
「このままバルカ政府と手を組んだらどうなる?ずっと裏金を要求され続ける。日本のためだ。」と言った野崎は「手を組む相手を見極めろ!」と西岡に迫っていた。
そして現在、西岡の判断は…「我々日本はバルカ政府の提案には反対いたします。」とハッキリと言った。
正体を明かす
これでムルーデルの45%と日本の利権の15%で60%の採掘権を持つムルーデルに採掘の主導権があると乃木は主張する。
「お前らがいくら権利を主張しようともそれは無意味だということが分からないのか?」と政府に反旗を翻す者は反乱勢力とみなすと武力行使も辞さない姿勢を取るワニズ。
乃木とアイコンタクトを取ったノコルは前に行き、テントのマークの旗を降ろした。
皆が驚く中、ベキとバトラカが現れた。
ベキをテントの最高指導者と紹介するノコル。
軍の7割を頼っている民間軍事会社のバトラカもテントと分かり、戦いになれば…と国土交通大臣は言った。
ベキは「また血を流すつもりか!」と声を上げた。
4つの民族が対立しあった紛争から19年でこの国は何を手にした?
数えきれない大事なものを失い、争いは何一つ生まないと誰もが気づかされた。
それなのに政府は紛争の後、苦しむ民に手を差し伸べなかった。
それどころか金を持つ者だけを優遇し、更に金を求め続けた。
持つ者と持たざる者の間に大きな分断が生まれた。
これからバルカは宗教・民族の違いを争いの火種には二度としない。
国の富を公平に分け、お互いの宗教や民族を尊重する国になっていく。
決して諦めない。
我々の小さな一歩は子供たちにその次の世代へも受け継がれてゆくだろう。
分かち合うことの素晴らしさをこの国に根付かせる。
この小さな一歩は新しいバルカを築くための偉大な一歩となる。
そう話したベキは「私はそのために今までやってきたのだ。」と言った。
裏で動いていたチンギス
ワニズはテロで稼いだ金で買った土地のフローライトなど世界が認めるわけない。と言い切る。
だが野崎がテントとムルーデルには一切の関係がないと言う。
チンギスも総力を挙げて捜査をしたが、不透明な金の流れは一切なかったと言った。
マネーロンダリングをしてるに決まってる!と言うワニズに「検事総長が確約している。」とチンギスは言う。
ムルーデルが起訴されることはない。テントとムルーデルは無関係との承認をチンギスが検事局長に掛け合っていた。
検事局長はテントや銀行の担当者からの証言が出てくるかもしれないと言うが、2人とも交通事故で同日に死亡しているとチンギスは言った。
そして両担当者の家は取り壊されており、証拠となる物は一切出てこなかった。
その担当者とは数か月前に私腹を肥やし、処刑されたテントのギリアムと銀行のパウロだった。
ノコル・バトラカ・ピヨはギリアムとパウロを殺す必要があるのかと反対していたが、「今回の処分は、いずれ我々を救うことになる。私を信じろ。」とのベキの言葉で処刑が行われていた。
「こいつらが殺したに決まってる。」と言うワニズの言葉に「そんな証拠はどこからも出てこなかった。この捜査結果はキメル法務大臣が保証されている。」とチンギスは言う。
法務大臣に事前に会っていたチンギス。
何十年も孤児たちの面倒を見ていたのがテントだったことに驚いていた。
実はチンギスもテントが運営していたとは知らなかったが、テントの孤児院で育った1人だった。
今の警察はテントの孤児院出身者がほとんどだった。
チンギスはワニズが主導権を握った場合、孤児院は閉鎖に追い込まれ、子供たちが行き場を失うことを法務大臣に訴える。
法務大臣は「今後、新たな疑惑が出ても私が全てもみ消す。」と言った。
そして、大使館で西岡がワニズに現金を渡す映像で逮捕状請求の証拠として十分と判断したと即刻捕まえろ。とチンギスに言っていたのだ。
チンギスが呼んだ警察が入り、ワニズは収賄教唆、脅迫の罪で逮捕された。
ワニズ・ゴビ・エインは連行されていった。
テント解体
野崎は公安が最高指導者であるノゴーン・ベキ、バトラカ、ピヨの3名を逮捕し、テントは解体し、ムルーデル社のフローライト開発に関与することは決してないと西岡に伝えた。
ベキは西岡に一礼し、ノコルは西岡の前に立った。
「今後、バルカ政府内のフローライト採掘、経営は全て私が責任を持って見ていきます。子供たちの未来の為にどうか日本のお力をお貸しください。」とノコルは頭を下げ、西岡も「よろしくお願いします。」と2人で握手を交わした。
ベキはテントのみんなに「今までありがとう。さらばだ。」と挨拶をして、野崎に連れられていった。
チンギスをはじめとした警察官たちもベキに向かい膝をつき頭を地面につけ挨拶をした。
日本のモニター
黒須がみんながベキを見送っている隙にテントの全ての通信を太田が傍受できるように仕込んでいた。
テントは解体されたものの、解体に納得しないモニターが何かを起こすかもしれない。
その中でも日本に潜伏しているモニターの存在が大きな問題だった。
乃木が撃って負傷した別班員は極秘で日本に移送され、日本各地に分散され治療を受けていたのに全員の映像がノコルに送られてきていた。
警察内部でも上層部しか知り得ない機密情報を知り得る立場にテントの優秀なモニターの可能性があるため、すぐに特定する必要があった。
だが、テント解体の知らせはモニターにはすぐに送られなかった。
3日が経ち、4日目の朝に世界中のモニターにテント解体の知らせが一気に送られたと太田が知らせる。
モニターの連絡先一覧はあるが、暗号の解読がまだだった。
だが、日本の人だけ複数回に渡ってメッセージのやりとりが行われているのは分かった。
太田が日本のモニターにウイルスを仕込んだダミーメールを送信したため、相手がメールを開けば特定できるようになっていた。
その時、乃木に野崎から電話が入る。
それはベキが逃亡したことを知らせる電話だった。
特別留置所の警備システムが切断され、警備員が襲われバトラカ、ピヨも一緒に消えたのだ。
そして、太田の送ったメールが開封された。
受信元のデータを確認した乃木は日本のモニターが公安の新庄浩太郎(竜星涼)であることを野崎に伝えた。
ベキの逃亡
モニターである新庄はベキたちを用意した家に案内していた。
頼まれた物も全て家にあると新庄は言う。
礼を言うベキに「偉大なるベキのお役に立てたなら幸いです。」と新庄は言い、これから海外に逃亡するとベキに伝えた。
ベキの逃亡を知った乃木は急いでノコルの元に行くと「お父さんの逃亡…だろ?」とノコルは言った。
ベキは日本に入国しやすいように、わざと公安に捕まったのだ。
乃木は「テントの最終目的は日本…あれは本当だったんですね?日本で何を起こそうとしているんだ?答えろ!」とノコルに詰め寄る。
「さびしいことだよ。憎しみは喜びで消えるほど簡単なものではなかった。40年、お父さんの頭の中で明美さんの最後のあの言葉は消えることはなかった。一日たりとも。」とノコルは答えた。
ノコルの言葉で乃木はベキの目的は日本への攻撃ではなく、母を死に追いやった人間への復讐だと野崎に電話で伝える。
母の死の原因は内乱の時に公安からの救助が行われなかったことが原因だ。
乃木卓の公安時代の記録が全て抹消されていたことから、警察に不都合な何かが裏であったと思われる。
乃木は急いで日本へ向かった。
最後の標的
飛行機を降りた乃木を司令の櫻井が待っていた。
櫻井は国家公安委員長に掛け合い、抹消されていた情報を持ってきてくれた。
ある家では家族を縛り上げ、帰って来た男(橋爪功)にバトラカが銃を向けてベキの元へ連れて行った。
その男に「上原上官」とベキは言った。
上原は乃木卓が生きていたと分かり、驚く。
家族に危害は加えないが「あなたはそうはいかない。」とベキは言い、バトラカとピヨは上原に銃を向け引き金を引いた。
そこに現れたのは乃木だった。
銃を向けながら、バトラカとピヨに銃を置くように言った。
乃木は櫻井からもらった公安時代の乃木卓の記録を見てここに来たのだ。
銃を向けられている男は現・内閣官房副長官であり元・公安部外事課課長で、乃木卓の直属の上司であった上原史郎だ。
上原は乃木卓に独断でバルカ潜入の任務を与えた張本人だった。
内乱に巻き込まれた際に、乃木卓は日本大使館に極秘で救助を要請し、仲間が飛行許可証を偽造し、急遽ヘリを飛ばした。
だが、目の前で退避を始めた。
その退避命令を出したのが上原だった。
「あれは…私じゃない。」と否定する上原に乃木は残っていた当時の管制官とヘリのパイロットのやりとりの音声を聞かせる。
そこにはハッキリと「上原課長の命令だ。」と残っていた。
国際問題になるのを恐れたあなたが…と話す乃木に「違う。国際問題というのは表向きだ。」とベキが言った。
大使館が動いたとなれば警視庁上層部に情報が入る。
独断で指示した任務が失敗したとなれば、自分の首が危ないと上原は指示した。
父と息子
「お前は自分のキャリアのため、いとも簡単に私たち家族を見捨てた。お前のせいで妻は拷問の末、無残な死を遂げ、息子は人身売買に出された。」ベキは言う。
「憂助、この男が許せるのか?」と聞くベキに「許されることではありません。」と乃木は答える。
「ですが、日本の重責を担う肩を殺させはしない。」と言い切った。
「母もこんなことは望んでいないはず。」と言う乃木に「違う!」とベキは言った。
明美の「私たちをこんな目に遭わせたやつを私は絶対に許さない。復讐して…」と言った最期の言葉を思い出し「これがお母さんの最後の願いだ。」とベキは言った。
「復讐は何も生まない。あなたが一番ご存じでしょ!」との乃木の言葉に「お前の言う通りだ。」とベキは答えるが「私は家族を壊された。この憎悪は私の中から消えることはない!」とベキは言った。
「お母さんの最後の望みを叶える。お母さんもそれを待ってる。」と言ったベキは自ら上原に銃を向けた。
そして乃木の方を見ながら「撃てるものか。お前は…私の息子だ。」と言った。
ベキが引き金を引こうとしたその時、乃木がベキ、バトラカ、ピヨを撃った。
倒れる父に駆け寄る乃木に「よくやった。憂助…お前は私の…誇りだ。」と言ったベキはそのまま目を閉じた。
兄と弟
乃木はノコルと電話で話した。
ベキの銃にもバトラカとピヨの銃にも弾は入っていなかった。
それを聞いたノコルは「そうか。」とだけ答え、乃木はノコルが全部知っていたことを察する。
日本に行く前の日に「憂助は必ず私を追ってくる。私を殺さなければならない立場だ。」と言い、涙を流すノコルを抱きしめた。
「任務のため、大義のため父親の命より国を守ることを優先する。憂助が私を殺すなら日本もまだまだ見どころがあるというものだ。憂助に止められるなら明美も許してくれるだろう。」とベキは言っていた。
「父さんも憂助に撃たれて幸せだったはずだ。」とノコルは乃木に言った。
「ありがとう…兄さん。」と言ったノコルは墓はバルカに立てて構わないかと乃木に聞いた。
乃木は「皇天親無く、水徳を是輔く」と言い「花を手向けるのは、まだ先にするよ。」と続けた。
そのころ、上原の家は燃えていた。
野崎は上原に現場検証が行われ、昨夜の火事は乃木卓ら3名が灯油を被って無理心中を図ったという方向で話が進んでいると伝える。
3人の遺体は煤同然で発見された。
再会
乃木は神田明神でお参りする柚木薫(二階堂ふみ)とジャミーンと再会した。
「おかえりなさい。」と乃木を抱きしめる薫とジャミーンと抱き合う。
その時「F」が話しかける。
「そろそろ見た方がいいんじゃないの?置いてあるぞ。」と言われた乃木の視線の先には別班のメッセージを示す饅頭が置いてあった。
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「VIVANT」最終回感想
答え合わせのような伏線回収!
最終回は第1話からの答え合わせのような伏線回収が満載でした。
・やっぱりベキは乃木が任務だと分かっていた。(やっぱり!別班が生きていたことまで調べてたとは!)
・乃木は銃の重さで弾が入っていないことが分かっていた。(ここもやっぱり!)
・実はベキの銃は弾が入っていなかった。(これはビックリ!)
・司令のみが乃木の任務と知っていた。
・乃木は野崎に託していた。
・ハリーポッターはやっぱり伏線!「スネイプ先生」はメッセージだった。(野崎がめっちゃハリーポッターの説明してた。「乃木はスネイプ先生だったんだ!」とのパワーワードを残す。」)
・ワニズが「日本とバルカの仲は未来永劫」みたいなことを言っていたのはフローライトのため。
・野崎が大使館から逃げる時に「最後にやることができた」と言っていたのは大使の西岡を見張るための隠しカメラを設置する段取りをしていた。
・バトラカがノコルに「犯罪歴をつけるな」と言っていたのは、ベキたちは捕まるつもりだったから、犯罪歴のないノコルが残りフローライトの事業と孤児の支援をやっていけるようにだった。
・テントの裏切者と銀行担当を殺したのは、この時のことを考えてのことだった。(本当はテントはやたらめったら、仲間を殺したりはしなかった。)
裏切り者への仕返しが最高!
フローライトの件!内通者はゴビでした。
ゴビが政府と手を組んで、バルカとゴビで主導権を握るつもりでした。
でも、乃木のおかげでゴビが内通者だと先に分かっていて全てに先手を打ってました。
それに協力してくれた野崎とチンギス!
そして大使も意を決してくれました。
先に考えを読み、そこからの大逆転が気持ちよかったです!
チンギス動く!
野崎に協力を要請し、チンギスが裏で動いてくれていました。
検事総長にテントとムルーデルの関係がないことを承認させた、それを証言しそうな担当者が事故で死んだことの捜査に不備がないことを法務大臣に話をつけてきた。
そして、ワニズたちを逮捕させる手筈も整えていた。
それも、そのはずチンギス自身もテントの孤児院で育っていた!
警察官も孤児出身がほとんどで、ベキを見送る時に全員で頭を下げるシーンも感動しました。
初回からは考えられないほどの、チンギスがこちら側の味方になってくれました。
どんでん返しにビックリ!
フローライトの件も無事にノコルの元に戻り、最初から考えていた通り、ベキは逮捕されテントは解体。
それで終わりかと思いきや、日本に入りベキが逃亡!
明美の最後の言葉を守り、あの時ヘリコプターに退避命令した上官に復讐をする最終目的があった。
そして、父と息子の最後の戦いになった。
どんでん返しにやられました…
日本のモニターはアノ人!
別班が生きていたことを知らせた日本のモニター。
その情報を知り得る立場にいるのが日本のモニターだった(「山本とは比べ物にならないくらい…」と乃木サラッと山本をディスる。)
そんなモニターの足元が映った瞬間、あの脚長スーツは新庄だ!となりました。
山本の尾行で見失ったのはわざとだったんですねー。
尾行失敗が続き、怪しまれていた新庄がモニターでした。
乃木とノコルの兄弟
乃木とノコルの兄弟!
フローライト事業のために乃木が公安にベキが捕まることを提案しに行った時、それがベキの最初から決めていたことだと聞き、涙を流す2人。
この時に初めて兄弟として分かり合えた…なんて思っていたら、ノコルは全て知っていたベキの逃亡!
乃木がベキを撃ったことを知ったのに、ノコルが怒ることもなく穏やかに話すと思っていたら、ベキは乃木に撃たれることも覚悟していた。
それもノコルに全部打ち明けていた。
最後の「ありがとう…兄さん。」で本当の兄弟になれましたね。(ノコルが「憂助」って呼んだのも初めてかも?)
続編に期待が…!
乃木がノコルに話した最後の言葉からベキはまだ生きていると確信!
乃木なら3人の急所を外して撃っていたはず。
遺体が火事で煤同然ということも…。
これでベキが生きているとなったら…続編に期待がかかります。
まだまだ気になることも…
最終回を迎えましたが、まだまだ気になることも残ったままでした。
・長野専務(小日向文世)は太田と不倫していただけで終わり⁉
小日向さんほどの俳優が「ただの不倫おじさん」で終わったとネット上でも話題となりました。
・乃木家の守り刀を渡されて、バルカに残った黒須はどうなった?
・新庄はあのまま海外まで逃げ切ったのか?
・乃木は薫先生とジャミーンとあの家で一緒に暮らすのか?
そんな気になるところも含め、続編に期待がかかります。
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